2018年2月11日日曜日

マイ・フェイバリット … ブラジル料理「カフェ・ド・セントロ」(日比谷)


 このところ、毎月のようにここ「カフェ・ド・セントロ」に通っている。

 そうして通っているうちに、自分たちの定番のコースのようなものができてきた。今日はそれをご紹介したいと思います。


 店に到着した人から順に、まずは生ビール(500円、以下すべて価格は税別表記)をもらって飲み始めるのが、いつものやり方。

 この時点では、軽いつまみものを中心に、ちょっとずつ注文して、ブラジルらしい肉料理などは、みんながそろってから注文する。


 つまみの人気ナンバー・ワンは、「揚げタコのさっぱりビネガーソース(ポウボ・フリット・アオ・ヴィナグレッチ)」(580円)だ。ポルトガルの影響なのか、ブラジルでもタコが食べられるのである。

 ただし、ブラジルでは揚げたタコは見たことがない。たいていはゆで冷ましてスライスしたタコを、野菜ビネガーソース(ヴィナグレッチ)で和えたもの。日本の「タコの酢の物」にとても近い料理として提供される。(→参考記事


 「ブラジルソーセージと玉ねぎソテー」(580円)は、カラブレーザという種類のブラジルソーセージを刻んだ玉ネギと一緒に炒めたもの。(→参考記事

 この「カラブレーザの玉ネギ炒め」は、社員食堂の朝食のおかずとしても、よく登場した。このおかずが出るときの主食は、ほとんどの場合、クスクスである。ブラジルのクスクスは、地中海あたりのもの(小麦粉ベース)とは違って、キャッサバとトウモロコシの粉を使って作られたもの。残念ながら、日本に戻ってからはお目にかかったことがないなぁ。(→参考記事


 「干し鱈のコロッケ」(6個500円)。これもまたブラジルにいるときにもよく食べた。ブラジルの居酒屋の定番的なメニューで、向こうでは「ボリーニョ・ジ・バカリャウ」という。ブラジルのものに比べると、干し鱈(バカリャウ)の量が少なめかなあ。


 ここのコロッケはまん丸なので、そのままだとお皿の上でもコロコロと転がって食べにくい。お皿に取り分けたら、フォークの背でギュッギュッとつぶして平らにし、そこにピメンタという唐辛子オイルをたらして、ちょっとずつ切り分けながらいただくと、食べやすくて、長持ちするおつまみとなる。

 ブラジルにいるときも、いつもそうやって食べてたなあ。


 このコロッケ系のつまみメニューには、干しダラ以外にも、「鶏肉のコロッケ(コシーニャ・ジ・フランゴ)」(6個480円)や「キビと牛肉のコロッケ(キビ・ジ・カルニ)」(6個480円)があって、それぞれ人気が高い。

 上の写真の「3種ミックス」(6個500円)を注文すると、写真左からコシーニャ、キビ、バカリャウがそれぞれ2個ずつ盛り合わされてくるので、3種すべてを楽しむことができる。


 「ブラジルMIXサラダ」(680円)も注文することが多い。このサラダにはパウミット(ヤシの新芽)とベテハーバ(赤ビーツ)が入っているのが大きな特徴。


 シンプルにパウミットとベテハーバの2種類だけを楽しみたい場合は、「ヤシの新芽と赤カブ」(480円)というメニューもあって、これもおすすめ。


 ブラジルの酒場に必ずあるのがバタタ・フリッタ。この店のメニューでは「たっぷりポテトフライ」(380円)です。

 ブラジルではお通し代わりに無料で出してくれる店もあるほど。

 日本ではポテトフライをたのむと、必ずといっていいほど一緒についてくるケチャップですが、ブラジルでは付いてきません。

 一緒にブラジルに行ってたメンバーと集まると、ここでもバタタ・フリッタを注文して懐かしがるのでした。


 ブラジルに行ったことがない人がいる場合には、ポテトフライ(バタタ・フリッタ)よりも、「タピオカ芋のカリカリフライ(マンジョッカ・フリッタ)」(580円)を注文したほうが、珍しがられて、喜ばれることが多いです。

 タピオカ芋、マンジョッカ芋、キャッサバ芋など、いろんな呼び方をされるが、すべて同じもの。ブラジルではどこでもこの芋がいろんな調理法で食べられる。

 この芋の根茎から製造したデンプンが「タピオカ」です。


 ブラジルではチーズもよく食べられる。この店にも何種類かのチーズが置かれているが、ブラジルらしいのは「ミナスチーズ」(500円)だろう。

 このチーズはブラジルの中央部、ミナスジェライス州で生まれ、ブラジル全土に広がった。家庭でも簡単に作れるフレッシュチーズであることも人気の理由のようだ。


 このあたりで、ほぼ全員がそろい、いよいよメインディッシュへという流れになる。

 そして飲みものも、生ビールから、ブラジルを代表するカクテル、「カイピリーニャ」に切り替わる。


 カイピリーニャは単品(600円)で注文することもできるんだけれど、グイグイと何杯も飲む我われは、ボトルキープしているカシャーサ(2,800円)に、カットライム(280円)と氷をもらって、自分たちでカイピリーニャを作って飲んでいる。

 カイピリーニャを作ること自体が、これまた楽しいのだ。


 メインの1品めは、大人気の「ピッカーニャ・グリル」(500グラム、3,200円)である。(上の写真が500グラム分)

 ピッカーニャというのは牛イチボ肉のこと。ブラジルでも、シュラスコ屋さんに行くと必ずある。いい店に行くとアルゼンチン牛のイチボ肉(ピッカーニャ・アルゼンチーナ)が置いてあって、これがとっても美味いのです。

 この店では500グラムを基本として、100グラム(640円)単位で肉が増量できるのもありがたい。逆に、『500グラムも食べられないんだけど』という場合には、250グラムの「ピッカーニャグリル・ハーフ」(1,900円)というのもある。



 ピッカーニャが出てきたら、すぐに食べやすく切り分けて、お好みでファロッファとヴィナグレッチをかけていただく。これがブラジルでの定番の食べ方だ。

 ファロッファというのは、キャッサバ芋の粉を乾燥させて炒めたもの。味はほとんどなくて、肉にさらにカロリーを付加するだけといった、カリカリとした粉なんだけど、これに慣れるとクセになる。

 ヴィナグレッチは、細かく刻んだタマネギやピーマン、トマトなどに酢で味つけをしたドレッシングのようなもの。

 このファロッファとヴィナグレッチは、ブラジルのレストランでは無料で出してくれるところが多い。牛丼屋の紅生姜と同じような位置づけなんだろうなあ。


 ピッカーニャ以外にも、より赤身の比率が高い「アウカトラ・グリル(牛ランプステーキ)」(600グラム、2,180円)もあって、グイグイと肉を食べたい人におすすめだ。


 続いての肉料理は、「牛テールの柔らか煮(ハバーダ)」(1,580円)である。

 関節のところで輪切りにした牛の尻尾がゴロリと2個ほど入って煮込まれている。出てきたらすぐに、トングで尻尾を押さえながら、骨のまわりに付いた身をナイフでほぐしていく。それを煮汁ごと深皿に注ぎ分けて、もつ煮込みと同じような感じでいただくのである。

 最後は、鍋の中に残っている骨を取り分けて、手づかみで骨の周りに残っている肉をしゃぶり取る。この骨ぎわの肉が、これまた美味いんだ!



 この煮込み(ハバーダ)に合わせていただくと美味しいのが、「ブラジルバゲット(パン・フランセーズ)」(1個300円)だったり、「もっちもちチーズパン(ポンジケージョ)」(1個90円)だったり。今日もそうだけど、たいていの場合、時間をずらして両方ともいただいています。


 ブラジルの国民食、「フェイジョアーダ」(大1,680円)も外すことはできない。これは牛や豚の余り肉や、ソーセージなどを、黒豆スープで煮込んだ、ブラジルの伝統料理だ。

 ウィキペディアには、『一般的には、アフリカから連れてこられた奴隷たちがブラジルで考案した料理と言われ、農場主らのために豚の上質な肉を取った残りの部分(主に内臓、そして耳や鼻、足、しっぽなど)や豆などを加えたとされる。暑熱のなかで強制労働に就く奴隷の塩分を補う食事でもあったため、現在も一般に塩辛い』と書かれている。

 ごはんと一緒に出されるので、カレーライスのように、フェイジョアーダをごはんにかけていただく。この食べ方は、ブラジルも同じようなものだが、ごはんが一粒一粒パラパラなのが違うところだ。


 ブラジル北東部(ノルデスチと呼ぶ)の街、レシフェに赴任していた我われにとって、「ムケッカ・バイアーナ」(大2,480円)も忘れられない味のひとつだ。

 これはブラジル北東部のバイーア州(この州都がサルバドール)を起源とする魚介鍋で、エビや魚などをパーム油やココナッツミルクで煮込むところが特徴的。海鮮シチューのような感じかな。


 ムケッカもごはんと一緒に出してくれるので、そのごはんにかけて、ごはんと一緒にいただきます。

 魚介類が新鮮で美味しい日本では、本場、ブラジル北東部で食べるよりもはるかに上品で美味しいムケッカを食べることができる。世界で一番おいしいムケッカかもしれない。


 このところ、はまりつつあるのが「カルネセッカとクリームチーズのピザ」(780円)である。カルネセッカというのは、塩漬け牛肉を乾燥させたもの。

 干し鱈(バカリャウ)と同様に、牛肉も乾燥させることによって、冷蔵庫ができるよりも、もっと昔から保存食として利用されてきたのである。

 魚の干物に、生魚にはない美味しさがあるのと同じく、干し肉にもまた、生肉にない美味しさがある。この「カルネセッカとクリームチーズのピザ」は、その干し肉のうまさを味わうことができます。

 通常は6つに切り分けるところ、今日は8人で来たので8つに切り分けてくれた。

 ちなみに、ブラジルには店内にピザ用の石窯を備えている店も多く、ピザはよく食べるのです。



 デザートの定番は「アッフォガート」(380円)。バニラ風味のアイスクリームに、一緒に出されるエスプレッソコーヒーをかけていただくもの。これ、おすすめです。



 8人で来た今回は、よく食べ、そしてよく飲むメンバーばかりだったので、お勘定もこれまでで最高額の8人で5万円(一人あたり6,250円)をマークした。


 ちなみに5人でやって来た前回(上の写真の右側)は、2万3千円(一人あたり4,600円)。一人あたり5千円程度というのが、ここで飲み食いする場合の標準的な値段のように感じています。

 いやぁ、美味しかった、楽しかった。どうもごちそうさま。

 早くも次の機会を楽しみにしているところです。

《平成29(2017)年11月22日(水)の記録》

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